2013年10月19日土曜日

十禁集

兵庫助として有名な、柳生利厳先師の著した「始終不捨書」という目録の中に「十禁習之事」というのがあります。
会員の皆様の今後の稽古の参考になればと思い、こちらにあげてみました。
ですが会員の皆様がこのブログを見ているかどうかはよく分かっていない。
見ていない可能性があることを、書き終えるまで気づかなかった。
でもまあ、せっかく書いたので、そのままあげます。

禁習とありますが、あまりそれを気にしすぎて動きが固くなるのも困りますので、頭の片隅にでも留めておき、なにかの時に思い出すぐらいで構わないとは思います。
稽古を重ねていけば、いずれ気づくこともあるでしょうし、自然と、どこかで行き当たるのではないでしょうか。
そんなぬるいことを言っていて良いのかどうかは分かりませんが、あんまり厳しい考えは性に合わないし、当会はそんな感じでやっていきたいという固い決意のあらわれでもあります。
それぞれ下にあるのは道歌といって、口伝の教えを歌書き風にしたものだそうです。


一、面ヲ引ク事(一)
 面(おもて)引く、くせはわずかの事ながら、心の引くをきらいこそすれ

一、身ト手別ル事(二)
 打込に身と手分るるそのときは、切り畄りつつ太刀ものびえず
 (畄は留でしょうか、きりどまりつつ、と読むのかな)

一、胸反レバ手太刀不展事(三)
 胸反れば、打込む太刀のとどきかね、かたより、つまり、五体不自由

一、胸ニ肱ノ付事(四)
 白徒の截合を見よや、必らずや胸に肱つき、手前きりなる
 (白徒は素人ですかね)

一、腰ノ折レ 踞ル事(五)
 腰の折れ、またすわるのをきらふなり、折れてすわるは、なおあしきなり

一、膝ノ踞ル事(六)
 かけひきに、膝のすわるに二ツあり、つかれ足をば、分けていましむ

一、前エ及ビ懸ル事(七)
 截合に心ひかれてとにかくに、及びのかかるは初中後のくせ

一、手ノ下ル事(八)
 截合に、手の下るのは直すべし、せっかく勝て、負にこそなれ

一、両足一度ニ踞ル事(九)
 両足の一度にすわる不自由は、ぬかり砂原倒れやすさよ

一、拳ニテ太刀ヲ使フ事(十)
 拳にて太刀を使うはよわみにて、手の内まわり、打合いに負く


この後段には「十好習之事」というのがあります。また機会があればこちらにあげていこうと思います。
そちらも合わせて考えながら、普段の稽古を見直すようにすると良いようです。
と、自分自身に言いたい。すいません、はい、そうします。
逆に考えれば、敵方を、このような動きになるよう仕向けることができれば、有利になるのかも知れませんね。



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